子どもの みみ・はな・のど などでみられる疾患
急性中耳炎
急性中耳炎は、子どもにとてもよくみられる耳の病気で、特に乳幼児に多いです。
<急性中耳炎とは>
鼓膜の奥にある“中耳”に細菌やウイルスが感染し炎症を起こす病気で、多くは、かぜ(上気道感染)に続いて起こります。
<主な原因>
・かぜ(ウイルス感染)
・細菌感染(肺炎球菌、インフルエンザ菌など)
・耳管(鼻と耳をつなぐ管)が短く未熟(子ども特有)
※鼻みずや鼻づまりがあると、細菌が中耳に入りやすくなります。
<主な症状>
年齢によって少し違います。
▽ 乳幼児期
・不機嫌/よく泣く
・耳を触る/引っ張る
・発熱
・ミルクや食事を嫌がる
▽ 幼児〜学童期
・耳の痛み(突然強くなることが多い)
・発熱
・聞こえにくい
・耳だれ(鼓膜が破れると出る)
<検査>
・耳鏡で鼓膜を観察(赤く腫れている/膨らんでいる/など)
・聴力検査(必要に応じて)
<治療>
症状の重さや年齢で方針が変わります。
① 経過観察(軽症の場合)
・自然に治ることも多い
・解熱鎮痛薬(痛み止め)を使用
② 薬物療法
・抗菌薬(細菌感染が疑われる場合)
・解熱鎮痛薬
③ 外科的治療
・鼓膜切開(膿がたまって強い痛みがある場合)
※早く症状を改善させるために行なうこともあります。
<注意が必要なサイン>
*強い耳の痛みで眠れない
*高熱が続く
*耳だれが出ている
*ぐったりしている
*何度も繰り返す
<予防のポイント>
*鼻みずをこまめに吸う/鼻をかむ
*かぜをこじらせない
*受動喫煙を避ける
*予防接種(肺炎球菌ワクチンなど)
<ひとこと>
急性中耳炎は多くの場合きちんと治療すれば治りますが、繰り返すと「滲出性中耳炎」に移行することもありますので、早めの対応が大切です。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)は、耳の中(中耳)に 液体(滲出液)がたまる病気で、痛みや発熱が少ないため気づきにくいのが特徴です。
<原因>
主に、耳と鼻をつなぐ“耳管”(じかん)の働きが悪くなることによって起こります。
・かぜや上気道感染の後
・急性中耳炎の後
・アデノイド肥大(鼻の奥のリンパ組織が大きい)
・鼻炎/副鼻腔炎
※小児は耳管が短く水平で未熟なため起こりやすいです。
<症状>
痛みが少ないため見逃されやすいです。
・聞こえが悪い(テレビの音を大きくする/呼んでも反応が悪い)
・耳が詰まった感じ
・言葉の発達が遅れることもある
・集中力の低下/ぼーっとしている
※発熱や強い痛みは通常ありません。(あれば別の病気の可能性)
<検査>
・耳鏡で鼓膜を観察(濁り/液体貯留)
・ティンパノメトリー(鼓膜の動きの検査)
・聴力検査
<治療>
自然に治ることも多いですが、経過によって対応します。
◯ 保存的治療
・経過観察(数週間〜数か月)
・鼻の治療(鼻炎/副鼻腔炎の改善)
・去痰薬など投薬(必要に応じて)
◯ 外科的治療(長引く場合)
・鼓膜切開(液体を出す)
・鼓膜チューブ留置(換気をよくする)
・アデノイド切除(原因がある場合)
<放置が長期間続くと?>
*難聴の持続
*言語発達への影響
*学習への影響
などが起こる可能性があります。
<受診の目安>
*聞こえが悪そう
*呼びかけに反応しにくい
*かぜの後に長く耳の違和感が続く
*保育園や学校の健診での指摘
耳垢塞栓(耳あかの詰まり)
耳垢塞栓(じこうそくせん)は、耳垢(みみあか)が、外耳道にたまり詰まってしまう状態で、小児では比較的よくみられます。
<原因>
・耳あかの産生が多い(体質)
・耳の穴が狭い
・綿棒などで奥に押し込んでしまう
※乾燥型/湿性型など耳垢の性状には違いがあります。
<症状>
・耳が聞こえにくい(伝音難聴)
・耳の詰まった感じ
・耳を気にして触る/痒(か)ゆがる
・痛み(硬くなった場合)
※小さい子では、不機嫌/呼びかけへの反応が鈍い/ことがあります。
<検査>
・耳鏡検査(耳の中を直接観察)
⇒耳垢で外耳道がふさがっているのを確認します。
<治療>
基本は“耳垢の除去”です。
◯ 方法
・ピンセットや吸引で除去
※耳あかが硬い場合は、点耳薬で柔らかくしてから除去します。
※無理に取ろうとすると外耳道を傷つけるため、医療機関での処置が安全です。
<家庭での注意点>
*綿棒を奥まで入れない
*見える範囲だけ軽く拭く
*無症状なら無理に取らないこともあり
<受診の目安>
*聞こえが悪そう
*痛みや出血がある
*耳あかが固くて取れない
*繰り返す場合
<ポイント>
子どもの耳あかは、自然に外へ出る仕組み(自浄作用)があるため、過度な掃除は逆効果になることがあります。
外耳道異物
外耳道異物(がいじどういぶつ)は、耳の穴に物が入ってしまうトラブルで、小児ではよくみられます。
特に好奇心の強い年齢期の子どもに起こりやすく、適切な対応が重要です。
<よくある異物の種類>
・ビーズ/おもちゃの小さな部品
・紙/ティッシュ
・消しゴム/粘土
・食べ物(豆など)
・虫(夜間に多い)
<主な症状>
・耳の痛み
・耳を気にして触る
・聞こえにくい(軽い難聴)
・耳だれ(感染を伴う場合)
・不機嫌/泣く(乳幼児)
※虫の場合は「ゴソゴソ音がする」「強い痛み」が出ることもあります。
<やってはいけない対応>
*家庭で無理に取ろうとする(危険)
*ピンセットや綿棒で取ると、奥に押し込む/鼓膜を傷つける/といったリスクあり
*水で流すと、異物(豆など)が膨張して悪化することもあり
<正しい対応>
*耳鼻科を受診するのが基本
※医療機関では、専用器具で安全に摘出/必要に応じて吸引や洗浄/動く子どもには軽い固定や鎮静を行うこと/もあります。
<緊急性が高くすぐに受診が必要なケース>
*虫が入っている
*強い痛みや出血
*ボタン電池が入った可能性
※短時間で組織を傷つける危険性があります。
<予防>
*耳に小さい物を入れないよう指導
*年齢に応じたおもちゃを選択
*保護者の見守り
<まとめ>
子どもの外耳道異物は珍しくありませんが「自分で取らない」「早めに耳鼻科へ」が重要です。
かぜ症候群
子どもの“かぜ症候群”は、主に上気道(鼻・のど)に起こる感染症の総称で、ほとんどが軽症で自然に治る病気です。
<原因>
かぜのほとんどはウイルス感染です。
〔代表的なウイルス〕
・ライノウイルス(最も多い)
・RSウイルス(乳幼児で重症化しやすい)
・アデノウイルス
・インフルエンザウイルス
・コロナウイルス(一般的なかぜの原因)
※細菌が原因になることもありますが、かぜの多くはウイルスです。
<感染経路>
・咳やくしゃみによる飛沫感染
・手や物を介した接触感染
※子どもは手洗いが不十分で、集団生活(保育園・幼稚園)もあるため、感染しやすいです。
<主な症状>
・鼻みず/鼻づまり
・咳
・のどの痛み
・発熱
・くしゃみ
・食欲低下/元気がない
※乳児では「ミルクの飲みが悪い」「機嫌が悪い」なども重要なサインです。
<子どもに多い理由>
*免疫が未発達
*初めて接触するウイルスが多い
*集団生活で感染機会が多い
※年間に5〜10回以上かぜをひくことも普通です。
<重症化・注意が必要なケース>
*呼吸が苦しそう(ゼーゼー、陥没呼吸)
*高熱が続く
*水分がとれない
*ぐったりしている
※特に細気管支炎(RSウイルス)や肺炎に進行することがあります。
<まとめ>
*子どものかぜの多くはウイルスが原因です。
*子どものかぜは軽症で自然に治ることが多いですが、乳幼児では重症化に注意が必要です。
副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎(いわゆる“蓄膿症”)は、鼻の奥にある副鼻腔に炎症や膿がたまる状態で、特にかぜの後に起こりやすいです。
小児ではよく見られ、適切に対応すれば多くは改善します。
<原因>
・かぜ(ウイルス感染)後の炎症の長引き
・細菌感染
・アレルギー性鼻炎(花粉/ダニなど)
・鼻の構造(未発達で詰まりやすい)
<主な症状>
・黄色〜緑色の鼻みず(ドロっとしたもの)/鼻づまり
・咳(特に夜間/朝方に多い)
・痰がからむ
・頭痛/顔の痛み(年長児)
・口呼吸/いびき
・発熱(急性の場合)
※小さい子どもでは、鼻みずと咳が長引くのが特徴です。
<種類>
◯ 急性副鼻腔炎
かぜのあとに発症することが多いです。
1〜2週間程度で改善することが多いです。
◯ 慢性副鼻腔炎
症状が3か月以上続きます。
アレルギーや体質が関係することもあります。
<検査>
・内視鏡による鼻の中の観察
・レントゲン/CT(必要に応じて)
<治療>
① 保存療法 ※基本
・鼻みずを出す(鼻かみ・吸引)
・加湿/水分補給
・去痰薬
・抗菌薬(細菌感染が疑われる場合)
② 鼻処置
・鼻吸引/洗浄
③ 長引く場合の治療
・マクロライド系抗菌薬の少量長期投与
・アレルギー治療の併用
※小児では手術はまれです。(重症例のみ)
<家庭でできるケア>
*鼻みずはこまめに吸ってあげる(特に乳幼児)
*加湿(乾燥を防ぐ)
*頭を少し高くして寝る
*水分をしっかりとる
<受診の目安>
*鼻みず/咳が10日以上続く
*症状が悪化している
*高熱や顔の腫れ/強い痛み
*夜間の咳で眠れない
<ポイント>
子どもの副鼻腔炎は「かぜの延長」として起こることが多く、早めの鼻ケアがとても重要です。
放置すると長引くこともあるので、気になる場合は受診をおすすめします。
アレルギー性鼻炎/花粉症
アレルギー性鼻炎は、体の免疫が特定の物質(アレルゲン)に過剰反応することで起こる病気です。
その中でも花粉が原因のものを“花粉症”と呼びます。
<主な原因(アレルゲン)>
・花粉(スギ/ヒノキなど)
・ハウスダスト
・ダニ
・動物の毛やフケ
・カビ など
※特にスギ花粉によるものが多いです。
<主な症状>
子どもでは、次のような症状がよくみられます。
・くしゃみ(連続して出る)
・水のような鼻みず
・鼻づまり
・目のかゆみ/充血
・鼻をこする(アレルギーサイン)
・口呼吸/いびき(重症時)
※集中力低下や睡眠の質低下につながることもあります。
<検査>
・血液検査(特異的IgE)
・皮膚テスト(プリックテスト)
・鼻汁検査(好酸球)
<治療>
① 環境整備(とても重要)
・室内の掃除(ダニ・ほこり対策)
・布団/カーペットの管理
・花粉シーズンは窓を閉める
・外出後の洗顔/着替え
② 薬物療法
・抗ヒスタミン薬(飲み薬)
・点鼻ステロイド薬(最も効果的)
・抗アレルギー点眼薬
※眠気の少ない薬もあります。
③ 免疫療法(根本治療)
・舌下免疫療法(スギ・ダニなど)
※数年継続して体質改善を目指します。
<受診の目安>
*症状が長く続く
*夜眠れない/日常生活に支障がある
*市販薬で改善しない
※小児科や耳鼻科での評価が重要です。
<ポイント>
子どもの花粉症は年々増えており、低年齢化しています。
早めに対策/治療を始めることで、症状の悪化を防げます。
鼻腔異物
鼻腔異物(びくういぶつ)は、小児でよく見られるトラブルの一つです。
特に2〜5歳頃に多く、遊びの中で小さな物を鼻に入れてしまうことで起こります。
<主な原因>
子どもが鼻に入れてしまうものには以下のものがあります。
・ビーズ/ボタン/おもちゃの小部品
・ティッシュ/紙
・食べ物(豆/コーン/ナッツなど)
・消しゴム/スポンジ など
<主な症状>
特徴的なサインは、次のとおりです。
・片側だけの鼻づまり
・片側だけの悪臭のある鼻みず(膿性鼻漏)
・鼻血(少量の出血)
・鼻を気にして触る/違和感を訴える
※長期間気づかないと発熱や炎症が起こることもあります。
<診断>
・鼻鏡や内視鏡を使って確認
※小さな異物は見えにくいこともあり、慎重な観察が必要となります。
特に「片側だけ/においが強い鼻みず」は重要なヒントです。
<治療>
・基本は異物の除去で、ピンセットや専用器具で取り出します。
※子どもが動く場合は、押さえて安全に処置し、場合によっては鎮静や麻酔を使用します。
<家庭での対応>
◯ やってよいこと
*落ち着かせる
*鼻を強くかませない
◯ やってはいけないこと
✕ピンセットで無理に取る
✕綿棒を入れる
✕何度もいじる
※家庭で無理に取ろうとすると、奥に押し込む危険があります。
<受診の目安>
*何を入れたかわかる(特に危険物)
*鼻みずが臭い/片側だけ続く
*出血や痛みがある
*ボタン電池/磁石の可能性
※特にボタン電池が疑われる場合は、短時間で粘膜が壊れるため緊急を要します。
急性咽頭炎
急性咽頭炎は、のど(咽頭)に急に炎症が起こる病気で、小児ではとてもよく見られます。
多くはかぜの一部として起こります。
<原因>
主に感染によって起こります。
◯ ウイルス性
・ライノウイルス
・アデノウイルス
・インフルエンザ
※かぜ症状の一部として発症します。
◯ 細菌性
・溶連菌感染症(A群溶血性連鎖球菌)
※学童期に多く、抗菌薬が必要になることがあります。
<主な症状>
・のどの痛み(嚥下時痛)
・発熱
・咳
・鼻みず(ウイルス性に多い)
・食欲低下
・首のリンパ節の腫れ
※溶連菌感染症の場合の特徴 : 高熱/強い咽頭痛/いちご舌/発疹(猩紅熱様)/咳や鼻みずが少ない/など
<注意すべき合併症>
特に溶連菌感染症では、急性中耳炎/腎炎(急性糸球体腎炎)/リウマチ熱/をともなうことがあります。
<検査>
・視診(のどの赤み/膿)
・細菌検査(溶連菌)
・血液検査(重症の場合)
<治療>
◯ ウイルス性の場合
・対症療法(自然に改善)
・解熱剤
・水分補給
・安静
◯ 細菌性の場合(溶連菌など)
・抗菌薬(ペニシリン系など)
※合併症予防のため重要です。
<家庭でのケア>
*水分をしっかりとる
*のどに優しい食事(ゼリー/スープなど)
*室内の加湿
*無理に食べさせない
<受診の目安>
*高熱が続く(2~3日以上)
*水分がとれない
*呼吸が苦しそう
*ぐったりしている
*発疹が出た
*のどの強い痛み/飲み込めない
急性扁桃炎
急性扁桃炎とは、のどの奥にある“扁桃(へんとう)”が細菌やウイルスに感染して炎症を起こす病気です。
特に小児に多くみられます。
<主な原因>
① ウイルス感染
・かぜウイルス(アデノウイルスなど)
※多くは軽症で、自然に改善します。
② 細菌感染
・代表的:溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)
※高熱やのどの強い痛みが出やすいです。
<主な症状>
・のどの痛み/飲み込みづらい
・38~40℃の高熱
・扁桃の腫れ/赤み/白い膿(白苔)
・首のリンパ節の腫れ/痛み
・食欲低下
※小児では、不機嫌/よだれが増える/嘔吐・腹痛(特に溶連菌)/といった症状もみられます。
<検査>
・視診によるのどの観察
・迅速な細菌検査→溶連菌の有無を数分で確認
(必要に応じて)
・血液検査
・細菌培養
<治療>
① ウイルス性
自然軽快が基本です。
〔対症療法〕
・解熱剤(アセトアミノフェンなど)
・水分補給
・安静
② 細菌性(溶連菌など)
・抗菌薬(抗生物質)
⇒ペニシリン系などを10日間しっかり内服
・解熱/鎮痛薬の併用
<合併症>(特に溶連菌)
・適切に治療しないと、リウマチ熱/急性糸球体腎炎/が起こることがあります。
<受診の目安>
*高熱が続く
*水分が取れない
*呼吸が苦しそう
*よだれが止まらない(重症のサイン)
*ぐったりしている
<家庭でのケア>
*水分補給(こまめに少量ずつ)
*のどにやさしい食事(ゼリー/スープなど)
*室内の加湿
*無理に食べさせない
クループ症候群(喉頭炎)
子どものクループ症候群は、主に乳幼児に多い呼吸器の病気で、のど(喉頭)や気管の上部に炎症を起こし、特徴的な咳と呼吸音がみられます。
<主な原因>
ウイルス感染によって多くは起こります。
・パラインフルエンザウイルス
・RSウイルス
・アデノウイルス など
<主な症状>
・犬が吠えるような「ケンケン」という乾いた咳 “犬吠様咳嗽”(けんばいようがいそう)
・息を吸うときにヒューヒュー/ゼーゼー音 “吸気性喘鳴”
・声がかすれる “嗄声”
・夜間に悪化しやすい
・発熱(軽度〜中等度)
<重症化のサイン:要受診>
*呼吸が苦しそう(胸がへこむ/肩で息をする)
*顔色が悪い/唇が紫“チアノーゼ”
*水分がとれない
*ぐったりしている
<検査>
症状から診断されることが多いですが、必要に応じて以下の検査を行ないます。
・喉の観察
・X線検査(特徴的な “鉛筆様陰影” が見られることもあり)
<治療>
症状の重さによって対応が変わります。
▽ 軽症の場合
・安静/加湿
・水分補給
▽ 中等症〜重症の場合
・吸入(アドレナリンなど)
・ステロイド投与
・酸素投与
▽ 重症の場合
・入院管理
<家庭での対応ポイント>
*子どもを落ち着かせる(泣くと悪化)
*室内を加湿
*夜間に悪化しやすいので注意して観察
<受診の目安>
*呼吸が苦しそう
*ゼーゼー音が強い
*夜中に急に悪化
手足口病
手足口病は、主にウイルス(コクサッキーウイルスやエンテロウイルス)によって起こる病気で、名前のとおり 手/足/口 に発疹や水ぶくれが出るのが特徴です。
乳幼児を中心によくみられる感染症で、主に夏期に流行します。
<主な症状>
・手のひら/足の裏/口の中/の水ぶくれや発疹
・軽い発熱(出ないこともある)
・口内炎による痛み/食欲低下
・のどの痛み
・不機嫌/ぐったり
※発疹は、おしりや膝に出ることもあります。
<原因/感染経路>
・咳やくしゃみの飛沫感染
・手や物を介した接触感染
・便からの感染(おむつ交換時など)
<経過>
・通常は3〜7日程度で自然に回復
・発疹は数日で、かさぶたにはならずに消えることが多い
<治療>
特効薬はなく、対症療法が中心です。
・水分補給(脱水予防)
・解熱鎮痛薬 ※痛みが強い場合は医師の指示で
・食べやすいものを摂取(ゼリー、冷たい飲み物など)
<注意すべき症状/受診の目安>
*高熱が続く
*ぐったりして反応が悪い
*嘔吐/頭痛(髄膜炎の可能性)
*呼吸が苦しそう
*水分がとれない
※まれに重症化することがありますので、上記の症状がある場合はすぐに受診して下さい。
<登園・登校の目安>
*発熱や全身状態が落ち着けば登園可能
※出席停止の義務はありませんが、園や学校のルールに従って下さい。
<家庭での予防>
*手洗いの徹底
*タオルの共用を避ける
*おむつ処理後の手洗い
*おもちゃ等の消毒
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは、主に夏期に流行する小児のウイルス感染症で、突然の発熱と口の中の痛みが特徴です。
<原因>
主にコクサッキーウイルス(エンテロウイルスの一種)による感染です。
飛沫感染/接触感染で広がり、保育園や幼稚園で流行しやすいです。
<主な症状>
・突然の高熱(38〜40℃)
・のどの痛み
・口の奥(軟口蓋や咽頭)に小さな水ぶくれ(水疱)や潰瘍
・食欲低下/飲み込みづらさ
・不機嫌/ぐったり
※水ぶくれが破れると強い痛みが出るため、水分を嫌がることがあります。
<経過>
▽ 発熱 : 1〜3日程度
▽ 口内の症状 : 3〜5日ほどで改善
※多くは、1週間以内で自然に回復します
<検査>
通常は症状から診断され、特別な検査は不要です。
<治療>
特効薬はなく、対症療法が中心です。
・解熱剤(必要時)
・水分補給(脱水予防が最重要)
・冷たくて刺激の少ない食事の摂取(ゼリー、プリンなど)
<注意すべきポイント:要受診>
*水分が取れない(脱水の疑い)
*高熱が長く続く(3日以上)
*ぐったりしている/意識がぼんやり
*嘔吐/けいれん
<予防>
*手洗い/うがい
*タオルや食器の共有を避ける
*おむつ交換後の手洗い徹底
<登園の目安>
解熱し、食事ができ、元気な状態になれば、登園可能(園の基準にもよる)
