突発性難聴
突発性難聴とは
突発性難聴は、突然、聞こえが悪くなる病気です。
日本での発症は、年間1万人に1~3人ぐらいの割合ですが、近年増加しています。
突発性難聴の症状
50~60歳の働き盛りの方に多いといわれていますが、全年代の方に見られます。
難聴の程度は、人によって様々で、耳が塞がったような‘耳閉感’だけの場合もあれば、全く聞こえなくなる場合もあり、また、高音のみ聞こえなくなるなど一部の音域のみの低下の場合もあります。
難聴の発症と前後して、耳鳴り/めまい/嘔気/を ともなうことがあります
これらの症状が起こるのは一度きりで、基本的には繰り返すことはありません。
突発性難聴の原因
明らかな原因はわかっていませんが、蝸牛(内耳)で音の振動を電気信号に変換し、脳に伝える役割をしている ‘有毛細胞’ が、何らかの原因で傷害されることで起こります。
睡眠不足/疲労の蓄積/多量の飲酒/糖尿病/などが先行することが多いため、‘血流障害’ や ‘ウイルス感染’ による炎症が関係しているのではないかと考えられています。
突発性難聴の検査
・発症前後の状態を詳しく ‘問診’ します。
併せて既往歴(糖尿病や高血圧、免疫疾患等)/服薬歴(難聴をきたす薬の服用)/耳の手術歴/職業/なども確認し、原因の明らかな疾患を除外します。
・耳鏡で外耳道や鼓膜に異常が無いことを確認し、聞こえの程度を ‘純音聴力検査’ で評価します。
・めまいをともなう場合は ‘眼振検査’ を行ないます。
※ 突発性難聴は一度きりの病気ですので、難聴を繰り返すようなら、メニエール病や聴神経腫瘍など他の病気の可能性があります。
突発性難聴の治療
・抗炎症作用をもつ副腎皮質ステロイド薬の内服や点滴投与による薬物療法によって、血流障害によって起こる細胞のむくみや炎症を抑えます。
・その他に、代謝改善薬・循環改善薬・ビタミン剤を併用することが多いです。
・治療を行なっても回復が乏しい場合/妊婦の方や糖尿病などでステロイドの全身投与が難しい場合/には、鼓膜に針を刺して耳の中にステロイドを注入する ‘ステロイド鼓室内注入療法’ を行なうこともあります。
・生活リズムを整え、静かな環境でゆっくり心身ともに休めることも大切です。
早めの治療が重要
耳に血流障害が起きて血液の流れが長い時間滞ると、酸素不足により、音波を電気信号に変えて脳へ送る役割をしている内耳の‘有毛細胞’が壊れてしまいます。この有毛細胞は一度壊れると再生しないため、治療が遅れると、聴力の障害がひどくなり、治療が困難になると考えられています。
特に、発症から1か月程度で内耳障害が不可逆的なものになり症状が固定してしまうため、発症から1~2週間以内に治療を開始することが重要となります。
