のど・くちの症状
のどが痛い
のど(咽頭・扁桃)の痛みは、比較的よくある症状で、原因はいくつかに分かれます。
<主な原因>
① 感染症 ※最も多い
〔ウイルス感染〕
・かぜ
・インフルエンザ
・新型コロナウイルス感染症
※特徴的な症状は、のどの痛み+発熱/鼻みず/咳/などで、多くは自然に改善します。
〔細菌感染〕
・溶連菌感染症
・扁桃炎
※特徴的な症状は、のどの強い痛み/高熱/白い膿(扁桃)/などで、抗生物質が必要な場合があります。
② 乾燥/刺激
・空気の乾燥(冬期/エアコン)
・口呼吸
・喫煙/ほこり
※特徴的な症状は、ヒリヒリする痛み/朝に悪化しやすい/ことです。
③ 声の使いすぎ
・大声/長時間の会話
・カラオケ など
※特徴的な症状は、のどの違和感や痛み/声がかれる/ことです。
④ アレルギー
・花粉症 など
※特徴的な症状は、かゆみ/イガイガ/鼻みず/くしゃみ/をともなうことです。
⑤ 胃酸の逆流
・逆流性食道炎
※特徴的な症状は、朝ののどの痛み/胸やけ/のどの違和感(つかえ感)/です。
⑥ その他(注意が必要)
・咽頭がん など
※特徴的な症状は、長く続く痛み(2週間以上)/飲み込みにくい/血痰/体重減少/などです。
<受診の目安>
*高熱が続く(38℃以上)
*痛みが強く食事がとれない
*1週間以上改善しない
*息苦しい/飲み込みにくい
*ぐったりしている(子どもで)
<自分でできる対策>
*水分をしっかりとる
*のどを乾燥させない(加湿)
*うがい
*のど飴/トローチ
*安静
のどに違和感がある
のどの「違和感(つかえる/イガイガ/何かある感じ)」は、痛みとは違って原因がやや幅広いのが特徴です。
<主な原因>
① かぜなどの軽い炎症
・ウイルス感染(初期のかぜなど)
※イガイガする感じ/軽い痛み/咳/をともなうこともありますが、数日で改善することが多いです。
② 鼻みずがのどに流れる(後鼻漏)
・副鼻腔炎
・アレルギー など
※特徴的な症状は、のどに何か張りつく感じ/痰がからむ/鼻みずがのどへ落ちる感覚/です。
③ 胃酸の逆流
・逆流性食道炎
※特徴的な症状は、のどのつかえ感や違和感/朝に症状が強い/胸やけやゲップ/で、声がかれることもあります。
④ ストレス/自律神経の影響
・咽喉頭異常感症
※特徴は、何もないのに詰まる感じ/飲み込むと一時的に楽になる/検査で異常が見つからないことが多い/ストレスで悪化する/ことです。
⑤ 乾燥/刺激
・空気の乾燥
・口呼吸
・喫煙 など
※特徴的な症状は、ヒリヒリやイガイガ/朝に悪化しやすい/ことです
⑥ 声の使いすぎ
※特徴的な症状は、のどの違和感/声がれ/話すと悪化する/ことです。
⑦ 腫瘍など ※まれですが
・咽頭がん
※特徴的な症状は、長期間続く違和感/飲み込みにくい/血痰/体重減少/などです。
<受診の目安>
*2週間以上続く
*だんだん悪化する
*飲み込みにくい
*声がかれ続ける
*血が混じる
*体重減少
<よくあるパターン>
*「鼻みずのどに落ちる感じ」→ 副鼻腔炎/アレルギー
*「朝だけ変な感じ」→ 逆流性食道炎/乾燥
*「ストレス時に強い」→ 咽喉頭異常感症
息がしにくい
「息がしにくい(呼吸困難)」は、症状の軽いものから緊急性の高いものまで原因が幅広いです。
<主な原因>
◯ 呼吸器(肺・気道)の病気
・喘息:気道が狭くなり、ゼーゼー・ヒューヒュー音や息苦しさ
・クループ症候群:小児でみられる犬が吠えるような咳と呼吸困難。
・肺炎:発熱/咳/痰/息切れ
・気胸:突然の胸の痛み/息苦しさ。
・慢性閉塞性肺疾患(COPD):喫煙歴がある人に多く、徐々に息切れが進行
◯ 心臓の病気
・心不全:横になると苦しい/むくみ/夜間の息苦しさ
・狭心症/心筋梗塞:胸の圧迫感+息苦しさ(緊急性あり)
◯ アレルギーの急性反応
・アナフィラキシー:食べ物や薬などで急激に気道が腫れ、命に関わることも
◯ その他の原因
・過換気症候群(過呼吸):不安やストレスで呼吸が浅く速くなる
・貧血:酸素を運べず、息切れしやすい
・肥満/運動不足:少し動くだけで息が上がる
・のどの異常(腫れ/異物)
<すぐ受診・救急が必要なサイン>
*急に強い息苦しさが出た
*胸の痛み/圧迫感がある
*唇や顔が青白い
*横になると呼吸できない
*意識がぼんやりする
<受診の目安>
*数日続く/悪化している
*発熱や咳をともなう
*運動していないのに息苦しい
しゃべりにくい
「しゃべりにくい(話しづらい)」は、のど・口・神経など様々な原因で起こります。
<主な原因>
◯ のど(声帯・気道)の問題
・声帯ポリープ:声がかすれる/出しにくい/長く話すと悪化
・喉頭炎:かぜなどで声帯が腫れ、声が出にくくなる
・声帯麻痺:声が弱い/かすれる/息が漏れる/ような話し方
◯ 口の中/舌/唇の問題
・口内炎:痛みでうまく発音できない
・口腔カンジダ症:白い苔のようなものと違和感で話しづらい
・舌の動きの異常(舌小帯短縮など)
◯ 神経/脳の病気
・脳梗塞:呂律(ろれつ)がまわらない(呂律障害)/片側の手足の麻痺/をともなうことも
・パーキンソン病:声が小さく単調になる
・重症筋無力症:話しているとだんだん声が出にくくなる
◯ 心理的/機能的な原因
・吃音(どもり):言葉がつまる/繰り返す
・緊張/ストレス:声が出にくい/うまく話せない
<すぐ受診が必要なサイン>
*突然しゃべりにくくなった
*ろれつがまわらない/手足のしびれや麻痺
*強い頭痛や意識の変化
※脳梗塞の可能性があるため速やかな対応が必要です。
<受診の目安>
*数日以上続く
*声のかすれが治らない(2週間以上)
*飲み込みにくさもある
声がかれる
声がかれる(嗄声:させい)の原因は、よくあるものから注意が必要なものまで、いくつかのタイプに分かれます。
<主な原因>
〔よくある原因〕
① 声の使いすぎ
・原因:長時間の会話/大声/歌いすぎ/など
→ 学校/仕事/カラオケ後/に起こりやすく、声帯が炎症を起こして一時的に声がかれます。
② かぜなどによる“のどの炎症”
・咽頭炎/喉頭炎(ウイルス感染)
→ 咳/のどの痛み/発熱/をともなうこともありますが、数日〜1週間ほどで改善することが多いです。
③ 乾燥/刺激
・空気の乾燥/喫煙や受動喫煙/アルコールや香辛料/など
→ 声帯の粘膜がダメージを受け発症します。
〔慢性的に続く原因〕
④ 声帯ポリープ/声帯結節
声の酷使が続くとでき、声がかすれる/出しにくい/といった症状がみられます。
※治療や手術が必要になることもあります。
⑤ 逆流性食道炎
胃酸がのどまで逆流することで、朝に声がかれることが多いです。
⑥ 加齢による変化
声帯の筋力低下(声帯萎縮)により、声が弱くなる/かすれる/といった症状がみられます。
〔注意が必要な原因〕
⑦ 声帯麻痺
神経の障害(手術後/脳の病気など)により、声が出しにくい/息がもれる感じ/といった症状がみられます。
⑧ 喉頭がん
長期間(2週間以上)声がかれる/喫煙者に多い/のどの違和感/飲み込みにくさ/といった症状があらわれます。
<受診の目安>
*声のかれが 2週間以上続く
*どんどん悪化している
*息苦しさ/飲み込みづらさがある
*血が混じる/強い痛みがある
<自分でできる対策>
*声をなるべく休める(小声もNG)
*水分をしっかりとる
*加湿(加湿器/マスク)
*禁煙/刺激物を控える
せき・痰が出る
咳(せき)や痰(たん)は、気道に異常があるときに体が出す防御反応で、原因は「急性」と「慢性」で分けると分かりやすいです。
<よくある原因>
〔急に出た場合〕(急性)
① かぜなどウイルス感染
鼻みず/のどの痛み/発熱をともない、最初は乾いた咳が出て、後から痰がからむことが多いです。
② 気管支炎
・急性気管支炎:咳が長引き(1〜3週間)、黄色や緑色の痰が出ることも
③ 肺炎
強い咳/痰/発熱/だるさ/息苦しさ/胸の痛み/などの症状がみられます。
※高齢者や子どもは重症化しやすいです。
④ アレルギー
ハウスダストや花粉などが原因で発症し、透明でさらっとした痰/くしゃみ/鼻みず/も出やすいです。
〔長引く場合〕(慢性)
⑤ 喘息(ぜんそく)
・気管支喘息:夜や早朝に咳が出て、ヒューヒュー・ゼーゼー音があり、発作的に悪化します。
⑥ 慢性気管支炎/COPD
・慢性閉塞性肺疾患:喫煙者に多く、長期間の咳・痰があり、息切れが進行します。
⑦ 副鼻腔炎(後鼻漏)
鼻みずがのどに流れて痰のように感じたり、朝に咳が出やすいです。
⑧ 逆流性食道炎
胃酸がのどに上がることで、空咳/のどの違和感/声がれ/といった症状がみられます。
⑨ 結核/腫瘍(まれ)
長引く咳(2週間以上)/血の混じった痰/体重減少/といった症状がみられます。
<痰の色での目安>
・透明 → かぜの初期/アレルギー
・黄色/緑色 → 細菌感染(気管支炎/肺炎など)
・血が混じる → 結核/腫瘍などの可能性 ※要注意
<受診の目安>
*咳/痰が2週間以上続く
*高熱/息苦しさがある
*血の混じった痰が出る
*咳で眠れない/症状が悪化している
<対策>
*水分をしっかりとる(痰を出しやすくする)
*加湿する
*禁煙
*無理に咳を我慢しない(ただし長引く場合は受診)
痰に血が混じる
痰に血が混じる(血痰)は、軽いものから注意が必要な病気まで様々な原因があります。
<主な原因>
〔よくある原因〕 ※比較的軽いことも
・気道の炎症(ex.かぜ/気管支炎)→ 咳のしすぎで粘膜が傷つき、少量の血が混じる
・強い咳やのどの乾燥 → のどや気管の細い血管が切れる
〔注意が必要な原因〕
・肺炎
・発熱/咳/痰(黄色や緑色)+血が混じることあり
・肺結核
・長引く咳/体重減少/寝汗などをともなう
・気管支拡張症
・慢性的に痰が多く血が混じることがある
・肺がん ※特に中高年や喫煙者で注意
・肺塞栓症
・突然の息苦しさ、胸痛をともなうことが多い ※緊急性あり
〔その他の原因〕
・鼻血や歯ぐきからの出血が混ざる
・抗凝固薬(血をサラサラにする薬)の影響
・心臓の病気(心不全など)
<すぐ受診したほうがいいサイン>
*血の量が多い(ティッシュにしみる程度以上)
*血痰が数日以上続く
*息苦しさ/胸の痛み/発熱
*体重減少/長引く咳
*喫煙歴がある/高齢 ※呼吸器内科がベター
<ポイント>
少量で一時的なものなら大きな問題でないこともありますが、血痰は重要なサインになることがあるため、軽視しないことが大切です。
飲み込めない/むせる
「飲み込めない/むせる」は、嚥下(えんげ:飲み込み)の異常が関係していることが多く、原因はのど/神経/筋肉など様々です。
<よくある原因> ※比較的軽い〜一時的
・のどの炎症(かぜ/咽頭炎)
・痛みでうまく飲み込めない
・加齢による嚥下機能の低下
・高齢者でむせやすくなる
・疲労/脱水
・唾液が減り飲み込みにくい
<嚥下障害の主な原因>
① のど/食道の病気
・咽頭がん/食道がん
・食べ物がつかえる感じ/体重減少
・逆流性食道炎
・胸やけ/のどの違和感/むせ
② 神経の病気
・脳梗塞
・突然むせる/ろれつが回らない/片側の麻痺
・パーキンソン病
・動きが遅い/声が小さい/むせやすい
③ 筋肉の異常
・重症筋無力症
・夕方に症状が悪化しやすい
・筋力低下(加齢/全身状態の低下)
④ 気道に関係する問題
・誤嚥(食べ物が気管に入る)→ 誤嚥性肺炎の原因に
・声帯の動きの異常(声がかすれることも)
<すぐ受診すべきサイン>
*急に飲み込めなくなった
*むせが頻繁に起こる
*食事中に咳き込む/息苦しい
*声が急にかすれる
*体重減少や食事量低下
*発熱 ※誤嚥性肺炎の可能性
<ポイント>
むせは単なる「食べ方の問題」だけでなく、脳やのどの病気のサインになることもあります。
特に急な変化は注意が必要です。
いびきをかく
いびきは「空気の通り道(上気道)が狭くなり、振動することで音が出る」状態です。
原因は一つではなく、いくつかの要因が重なって起こることが多いです。
<主な原因>
① 鼻のトラブル
・鼻づまり(かぜ/アレルギー性鼻炎/など)
・鼻中隔のゆがみ
→ 空気が通りにくくなり、口呼吸になっていびきが出やすくなります。
② のどの構造/筋肉のゆるみ
・睡眠中に舌や軟口蓋(上あごの奥)が下がる
・加齢による筋力低下
→ 気道が狭くなり振動が起きます。
③ 肥満 ※いびきの大きな原因のひとつ
・首まわりに脂肪がつく
→ 気道が圧迫されて狭くなり、いびきが出やすくなります。
④ 寝る姿勢
・仰向けで寝る
→ 舌が喉の奥に落ちやすいので、気道がふさがれやすく、いびきが出やすくなります。
⑤ 飲酒/睡眠薬
・筋肉が緩みすぎる
→ 気道が閉じやすくなり、いびきが悪化します。
⑥ 疾患によるもの
・睡眠時無呼吸症候群 ※特に注意が必要
大きないびき+呼吸が止まる/日中の強い眠気/起床時の頭痛やだるさ/が特徴的な症状で、放置すると高血圧/心疾患のリスクになります。
◯ 子どもの場合
・アデノイド肥大/扁桃肥大
→ 空気の通り道が狭くなり、いびきが出やすくなります。
<受診の目安>
*いびきが毎日ひどい
*呼吸が止まると指摘される
*日中に強い眠気がある
*朝すっきり起きられない
*子どもで口呼吸やいびきが続く
<自分でできる対策>
*横向きで寝る
*枕の高さを調整する
*体重管理
*寝る前の飲酒を控える
*鼻づまりの治療
<まとめ>
いびきは「単なる音」ではなく、体の異常サインのこともあるため、軽い場合は生活習慣の見直し、重い場合は病気(特に“睡眠時無呼吸症候群”)を疑うという見方が大切です。
味がしない
「味がしない(味覚がわからない)」状態は、医学的には“味覚障害”と呼ばれ、様々な原因があります。
<主な原因>
① かぜなどの感染症
・鼻づまりで‘におい’を感じにくくなる
→ 味も分かりにくいです。
※特にCOVID-19では、味覚や嗅覚の障害が特徴的です。
② 鼻や副鼻腔の病気
・副鼻腔炎(蓄膿症)
・アレルギー性鼻炎
→ においが遮断され、味も感じにくくなります。
③ 栄養不足(特に亜鉛)
・亜鉛は味を感じる細胞に必要
→ 不足すると味覚低下になります。
※偏食/ダイエット/高齢者/に多いです。
④ 薬の副作用
・抗生物質
・降圧薬
・抗がん剤 など
→ 味覚を変化させることがあります。
⑤ 口の中のトラブル
・口腔カンジダ症
・口内炎
・唾液の減少(ドライマウス)
→ 味を感じにくくなります。
⑥ 神経の異常
・味覚は、顔面神経/舌咽神経/などが関与
→ 手術後/外傷/神経障害/で起こることもあります。
⑦ ストレス/加齢
・強いストレス
・加齢による感覚の低下
<受診の目安>
*1週間以上続く
*急に全く味がしなくなった
*発熱/強いだるさ/咳がある ※感染症の可能性
*においも分からない
<検査・治療>
〔検査〕
・味覚検査
・血液検査(亜鉛など)
〔治療〕
・亜鉛補充/薬の調整 ※原因に応じて
・鼻や口の治療
<自分でできる対策>
*バランスの良い食事(特に“亜鉛”を多く含む肉/魚/ナッツ)
*口の中を清潔にする
*十分な睡眠/ストレス管理
