慢性上咽頭炎の方が増えている印象です。
開業してから4ヶ月が経とうとしております。
徐々に受診される方が増えてきていますが、その中でも【Bスポット療法】を希望される患者さんが増えてきている印象です。
テレビでもコロナ後遺症、慢性上咽頭炎の特集も多数組まれ、Bスポットのことを報道しているテレビも多く、世の中に浸透してきているのかと実感しています。
「のどが痛い」と受診される患者さんを診察する機会は多数ありますが、上咽頭が荒れている患者さんが本当に多いと感じております。
実際に内視鏡で上咽頭を診察すると、上咽頭が赤くなっていたり、ぶよぶよになっていたり、どろっとした痰が付着していたりします。
私自身もいわゆる「喉の痛み」があった際に、自分で内視鏡で喉を見たことがあるのですが、上咽頭が真っ赤っ赤でした。
体感では、口を開けたところや喉仏のあたりが痛いのかなぁと思っていても、実際見てみると、上咽頭が荒れていました。
関連痛で、違う所が痛く感じてしまうんですね。
(時期は違いますが、私の荒れている上咽頭です)
過去の論文でも、喉の痛みで受診された患者さんの90%に上咽頭に原因があったと報告しています。→こちら
堀口先生の研究ではじまったBスポット療法(Bは鼻咽腔)ですが、実際の耳鼻科医の中には浸透していない分野だと思います。
慢性上咽頭炎に対して、塩化亜鉛で上咽頭を擦過する治療です。詳しくは→こちら
学校の授業でも習わず、耳鼻科の成書にも「慢性上咽頭炎」という概念はありません。
私も恥ずかしながら、はじめは「慢性上咽頭炎」の概念は知りませんでした。
前の勤務先で慢性上咽頭炎についてしっかり勉強させていただき、多くの患者さんが元気になっていく姿をみてきました。
慢性上咽頭炎だけでなく、腎臓の疾患、リウマチ、皮膚疾患も改善する症例、また自律神経系が回復し、学校・職場復帰できる患者さんも多くいらっしゃいます。
エビデンスを出すのが難しい分野ですが、夢がある分野でもあるなと感じております。
残念ながらすべての患者さんが寛解するのは難しく、過度な期待はしないほうがよいとは感じておりますが、私のできる範囲で日々データをアップデートし、より良い医療を届けられるよう努力していきたいと思います。
最近では耳鼻咽喉科の大きな学会でも「慢性上咽頭炎」「コロナ後遺症」の概念が取り上げられ、少しずつこの分野の研究が進んでいると感じております。
私自身も日々アップデートし、勉強に励んでいきます。
日本病巣疾患研究会のホームページにも受診できる病院が記載されています。
EAT 慢性上咽頭炎治療 医療機関一覧|東京・関東|
まだまだ感染症が流行っていますので、おからだご自愛ください。
利國桂太郎